TwitterがまだTwttrという表記だったころから、Twitterらしさの定義のひとつが「140文字のツイート」でした。この140文字の制限を挑戦として楽しまれる方もいらっしゃいます。文字数制限が、創造性を駆使した簡潔なメッセージにしようと思うきっかけにもなっているようです。中には、文章力の向上に役立ったという方もいらっしゃると聞きました。その一方、この文字数制限によってTwitterに不満に感じる方も多くいらっしゃいます。文字制限があるために書き方を考えなくてはならず、表現能力に制限を与え、結局はツイートを行うことを諦めさせてしまうことも少なくありません。簡潔であることはTwitterにとってとても大切なことですが、皆さんにもそれぞれのお考えを共有していただきたいとも思います。
ツイートの長さについてのデータを見て、興味深いパターンを発見しました。この140文字の制限が、使われている言語によって異なる体験を提供していることがわかりました。例えば日本語や韓国語などの1文字における情報量が多い言語では、この140文字は厳しい制限として受け取られていません。日本語の場合、140文字内に伝えたいことを十分に入れることができるので、文字数制限への不満が見られませんでした。これに対して、英語、スペイン語、フランス語、特にドイツ語の場合は、この文字制限が共通する不満になっていることがここ数年のリサーチによってもわかっていました。この違いは英語、スペイン語、日本語の3つの言語で同じ内容をツイートした場合の下記の図でご確認いただけます。
これをもとに、日本語のように密度の高い言語と、そうではない言語を定義するシステムを設計し、密度が高くない言語の文字数制限を拡大しました。言語をこのようにグルーピングすることにより、英語やスペイン語などの密度の高くない言語でも、密度の高い日本語などと同じ体験をすることができるようにしました。これにより、考えやアイデアをTwitterで共有するときに多くの方々が感じていたフラストレーションを下げながら、Twitterの簡潔さを維持することができます。
ここで、世界中の方々が簡単に理解できて、同時に、それぞれの文字数の制約も伝えることができるUIを作成という、デザイン上の課題が発生しました。皆さんがどの言語でツイートされるのかを想定できないため、単に言語ごとに文字数を置き換えるだけではうまくいきません。Twitterを利用されている場所や言語に基いてどの言語をご利用するのかを推測することはできますが、他の国にお住いであったり、定期的に旅行をされる方々も多い中、この方法ではうまくいくとは思えませんでした。さらに、多くの方々が複数の言語で、場合によってはひとつのツイートの中に異なる言語を使ってツイートを行われます。密度が高い言語の文字は密度が低い言語とは異なる数として計算するため、言語が混ざったツイートは複雑な数式を生み出します。ここでの挑戦は、さまざまな文字数制限に対応でき、ツイート作成時のいろいろな状況にも適応することができ、いちいち考えこまずに直感的に使えるデザインをつくることでした。
最初のブレインストーミングの際、たくさんのリサーチを必要とすることに気がつきました。ツイート作成時のさまざまな状況を想定する必要があることはすでに理解していましたが、例えば以下のように、他にもいくつかの考えなくてはならない重要事項がありました。
このような疑問をもとに、アニメーションで作成した27種類のプロトタイプ、2回以上のブレインストーミング、社内での批評セッション、そしてプロトタイプへの何度もの改良を行い、合計でかなりの数のデザインを考えました。この一連が済んだ後、いくつかのプロトタイプを日本と米国の方々に実際に使っていただきました。
目の前で実際に皆さんに試していただくことは、なにが良くてなにが良くないのかを明確にできた貴重な機会でした。例えば、私が気に入っていたデザインが失敗であることもわかりました。それは制限文字数が残り20文字になるまで文字数カウンターを表示せず、制限に近づいた段階でカーソルの後に残りの文字数を表示するというデザインでした。私の想定していた反応とはまったく異なり、このデザインはテストに参加してくださった方々を混乱させるという結果になりました。東京でこのテストに参加くださった方のひとりは「ツイートの終わり部分に円形アイコンと数字の両方が表示されているものが好きです。円形はどのくらい残りがあるのかがわかりますし、はじめから数字が表示されてカウントダウンされることでプレッシャーを感じることなくツイートを書くことができます。」とのことでした。抽象性と具体性を組み合わせたデザインを好むという意見は、日本の他のテスト参加者の方々からもいただきました。ストレスを軽減するためにUIから削除したつもりでいたものが、制限数を明確にしないことで終わりが見えにくくなり、より不安を感じさせるという逆の結果をもたらしました。
(このデザインはうまくいきませんでした)
実際にテストしていただくことで、知らなかったことへの答えを含め、デザインとして大切なことが明らかになり、以下が必要だという結果になりました。
最終的に、このようなニーズを満たしながら、Twitterっぽい(Twettery)と感じさせるものにたどり着くことができました。ちょっと楽しめる感じがある、軽くてわかりやすいものにしたいと考えました。もちろん、ただなんとなくいうものではなく、役立つかどうかも確認しました。ツイートを作成する時に理解していただくだけではなく、ずっとTwitterらしさの中心にあった「140文字」という部分に手を加えることがTwitterというブランドにも関係するということも考える必要がありました。
プラットフォーム上での表現体験の調査に加え、文字数制限の変更がどのように受け止められるのかの理解も考えました。 情報を手軽に得られるサービスという立ち位置を揺れ動かさないことは絶対事項でした。ブランド調査によると、今回のテストに参加くださった方々は、テスト後もTwitterを情報を得る簡単な方法だと感じていただけていました。同時に、この方々の文字制限による不満指数も減っていることが確認できました。
Twitterのようなサービスに関わることで体験できる良いことのひとつは、仕事に終わりがこないことです。もうひとつは、私たちが行う変更に対して皆さんの声をツイートで伺うことができることです。新しく提供する280文字の制限を皆さんがどのように使われていくのかを拝見し、改善できる部分があるかどうかを考えてまいります。皆さんがこの変更をどのように使われるのか、楽しみにしています。
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