Twitterが発表した2021年下半期(7月1日から12月31日まで)の透明性レポートの内容について、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一准教授が報道関係者を対象に「Twitter透明性レポートの読み解き」と題する講演を行いました。内容の一部を紹介します。
冒頭、山口先生はプラットフォーマーが透明性レポートを出す意義について説明しました。各国政府による表現の自由の侵害やプライバシー侵害は日常的に起こっているとした上で、「透明性レポートはその実態を社会に知らせることにつながります。また、普及率の高いプラットフォームは、人々の言論に大きな影響力を持っており、会話の場の安全性と表現の自由の両立という観点から、どのような対応をしてきているか公表することは、社会的意義が大きいと考えます」と述べました。
今回公開されたTwitterの透明性レポートでは、Twitterに寄せられた情報開示請求の9割は政府機関(行政機関)からの要求でした。また非政府機関からの要求では、日本の件数は世界の半分以上を占めています。
日本の件数が多い理由について、山口先生は「プロレスラーの木村花さんが2020年に亡くなった事件以降、日本人の中で開示請求という手段が広く知られた可能性があります」と読み解き、またコンプライアンス率(請求対象となったアカウント情報の少なくとも一部を提示した情報開示請求の割合)が日本の方がはるかに世界より高い水準(約70%)となっている点に触れ、「請求件数が世界一の国であるにも関わらず、Twitterが対応していると見ることができますし、同時に請求側も正当な理由が多いのではないでしょうか」と推察しました。
削除請求の項目を見ると日本からの法的要請件数は世界一となっていますが、請求の96%は犯罪に関するものです。
山口先生はこの数字について「日本の警察がサイバー関係について積極的に取り組んでおり、またTwitter Japanが警察へTwitterの使い方を長年啓蒙してきた成果が表れていると見ることもできます」と分析しました。
また、日本では裁判所命令のコンプライアンス率が100%になっている点も注目すべきとし、「日本の裁判所が妥当な法的要請のみをしていることが主な要因と考えられますし、それに対してTwitterも適切に対応しているといえるでしょう」と話しました。
「ルールに基づく強制的対応」については、世界的に増加傾向にあります。この傾向については、「Twitterが良く対応できている」のか、「ポリシー違反の投稿が増えていてプラットフォームの環境が悪くなっている」のか、「いずれの見方もありえますので理由を断言できません」と語るにとどめました。
そして、削除された400万件以上のツイートのうち、71%は削除前のインプレッション数(ツイートエリアの少なくとも半分が0.5秒以上ユーザーに表示されたツイート数)が100未満で、21%は100~1,000のインプレッション数でおさまっている点を挙げ、「Twitterが人の目を介して違反投稿の削除対応をしているとすれば、ルール違反投稿についてかなり早期に対応して拡散を防ぐことができていると考えられます」と評価しました。
日本のデータについては、総務省が公開している資料を紹介。凍結されたアカウントでは、児童の性的搾取違反が圧倒的に多く、違法または特定の規制を受ける商品・サービスに関するものが続きます。一方投稿では、センシティブな描写を含む画像や動画がトップで、攻撃的行為・ハラスメントが次点となっていました。
最後に山口先生はTwitterに対して、透明性センターのホームページ(特に日本語のページ)のUIを改善することや、安全性を高める機能などについての効果分析なども積極的に開示することを指摘。透明性レポートの項目についてもより充実させるべきと語りました。
ご指摘を踏まえながら、今後もTwitterは透明性の向上に努めてまいります。
(画像はすべて山口先生より提供)
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