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第14回「Twitterの透明性に関するレポート」主要データとインサイト

火曜日, 2019年5月21日火曜日

透明性は公共の場での会話を提供するにあたって、Twitterの重要な指針です。過去7年間、年2回更新する「Twitterの透明性に関するレポート」は、世界中の公的機関からTwitterに寄せられる法的請求の傾向を開示してきました。年を追うごとに、Twitterが公開する情報は大きく拡充し、これはプラットフォームの操作に関する基準、Twitterルールの執行、テロ関連コンテンツ、暴力的な過激主義、児童の性的搾取などを、Twitterから排除するための率先した取り組みが含まれます。

Twitterは、世界中の政府やその他の公的機関から寄せられたさまざまな法的請求を、わかりやすく、データインサイトも含めて提供していると確信しています。そのためTwitterは、ハーバードのバークマン・センターとの長年のパートナーシップに基づき、ルーメンデータベースに法的請求を直接アップロードしています。Twitterは、一般の人々がこのサイトを精査し、Twitterが世界中の政府やその他の公的機関から受けているお問い合わせについて知っていただけるよう望んでいます。

言論や表現の自由はTwitterの核であり、「Twitterの透明性に関するレポート」で公開したより大規模で詳細なデータセットが、国家や政府機関とどのようにTwitterが企業として関係しているかを、政治的、社会的な輪郭を理解するのに役立つ情報であることを期待しています。Twitterが法的請求に応える一方で、各国の法令を遵守しながらサービスを継続し、利用者を危険から守るために、Twitterがどのように取り組んでいるかをみなさんに知っていただくことは極めて重要であると考えています。Twitterは引き続きデータを更新し、とくに「Twitterルール」とそれに基づく強制的執行に関して、Twitterのコミットメントを強化していきます。

以下は、報告期間(2018年7月~12月)の最も重要で興味深い傾向のデータ・ポイントのハイライトです。

全世界の情報開示請求(アカウント情報に関する法的請求):

  • 前回の報告対象期間とほぼ同じ数の情報開示請求(アカウント情報に関する緊急開示要請と非緊急の請求の合計)を受け取りました。
  • 米国から提出された情報開示請求は前回の報告対象期間より6% 少なく、そのうち特定されたアカウントの数は58%減少しました。これにより、世界的に特定されたアカウントの件数は少なくなり、34%の減少と際立っています。
  • 政府からの情報請求は86か国からありました。米国からの情報開示請求は全体の30%で、特定されたアカウントの割合は全世界合計の35%となりました。
  • 2番目に情報開示請求が多かったのは日本でした(全世界の情報開示請求の24% 、特定されたアカウント件数の20% )。英国(13%)、インド(6%)、ドイツ(6%)、フランス(5%)を合わせると全世界の情報開示請求件数の30%、特定されたアカウント件数の29%を占めています。
  • 全世界の緊急開示要請の件数は前回の報告対象期間から2%減少しました。Twitterの透明性に関するレポートの公表開始以来、初めて英国(33%)からの 緊急開示要請が最大となり、米国(30%)がこれに続いています。

全世界の削除請求(コンテンツ削除の法的請求):

  • コンテンツの削除に関する全世界の法的請求は、前回の報告対象期間に比べて約8%少なくなり、請求対象となったアカウント件数は約2%減少しました。しかし、2017 年から 2018年にかけては84%増加しました。
  • 48か国、27,283件のアカウント特定の法的請求を受け、ブルガリア、マケドニア、スロベニアからの初めての請求がありました。
  • 世界中のコンテンツ削除の法的請求の総数のうち74%は、ロシアとトルコの2か国からでした。


テロ関連コンテンツの削除

この報告対象期間中、全体で166,513件のアカウントがテロ行為の助長に関連した違反により凍結されました。これは、前回から19%減少したことになります。この凍結のうち91%は、専用の社内ツールによって特定されたものです。毎年見られる傾向としては、Twitterのサービスを悪用しようとするテロリスト組織は着実に減少しています。これは、禁止行為を回避しようとするもの、テロ集団やその関連組織による行為に対し、ゼロ・トラレンス・ポリシー(例外を許さない政策)に従って、迅速に執行した成果によるものです。多くの場合、アカウントの設定の段階で(そのアカウントが最初のツイートをする前に)凍結をしています。これらの数値的な成果を励みにしながら、引き続き警戒を緩めることはできません。Twitterの目標は、新手の方法や、Twitterの強固な対策を巧みに回避しようとする新たな手口の一歩先を行くことにあります。

児童の性的搾取問題撲滅

この報告対象期間中、児童の性的搾取関連の違反により、456,989件のアカウントが凍結されました。これは、前回から6%減少しています。凍結されたアカウントのうちの96%は、PhotoDNAやTwitteの専用ツールを含むテクノロジーを組み合わせて自発的に発見したものです。法律に準拠し、Twitterは全米行方不明/被搾取児童センター(National Center for Missing and Exploited Children:NCMEC)に通報しています。また、安全に関する世界中のパートナーとともに、NCMECは極めて重要な役割を果たしており、そのパートナーシップに深く感謝しています。

プラットフォームの操作*

2018年下半期にあったスパム行為やプラットフォームの操作は、同年上半期から17%減少し、1億9,400万件でした。その後(Twitterはスパムと疑われるアカウントに、メールアドレスや電話番号など、アカウントが本人のものであることを証明するための情報を要求しますが)、当該アカウントの約75%が最終的に疑いを解消できず、利用停止されました。これはさまざまな要因によるもので、アカウント登録時の悪質な行為の検出強化(悪質な利用者のツイートを未然に防ぐ)や、Twitterをターゲットにしたスパム行為を減らそうという好意的な外部の動きなどがあります。2018年下半期にはこれらの行為の報告総数も減少しており、Twitter上でスパム的なやりとりが減少し続けていることを示唆しています。

国家の安全保障に関する請求

過去のレポートでもお伝えした通り、Twitterは国家の安全保障に関する請求についてはごく限られた情報しか公表できません。これはTwitterが裁判で争っている法的な禁止によるものです(係争中のTwitter v. Barrの透明性を巡る訴訟に関する最新情報はこちらを参照)。現時点で、Twitterは非開示命令の対象とはなっていない国家安全保障書簡(National Security Letters:NSLs)の受領件数のみ、公開を認められています。Twitterは、実数を公表することは米国自由法(USA Freedom Act)により定められた概数(千件単位の)よりもはるかに有意義であると信じています。この報告対象期間中、自由な発言の禁止命令が解除された後、2件の国家安全保障書簡によって影響を受けた利用者にTwitterは通知を行いました。レポートにもあるように、これまでに14件の国家安全保障書簡の非開示命令が解除されました。Twitterは、あらゆる法的手段を使ってこうした言論弾圧命令を見直すよう求めていくつもりです。広義には、Twitterはまた無期限の非開示命令は刑法上もまた国の安全保障上も憲法違反であると主張していきます。Twitterは、それらの法的見直しの要求は、合衆国憲法修正第1条の権利を保護する判例を強化する機会ととらえています。

「Twitterルール」に基づく強制的対応

このレポートに含まれるTwitterルールとポリシーの6つのカテゴリーにおいては、6,388件のアカウントが政府機関によって報告され、前回の5,461件から17%増加しています。Twitterは世界中にルールの施行を管理するチームを配置し、24時間365日の体制で、サービスを提供するすべての言語で対応しています。報告されたアカウントの実数は、必ずしもTwitterが受け取った報告の有効性を示す指標とはなっていないことに留意ください。Twitterのレビュープロセスにおいて、報告されたコンテンツが、当初報告された内容以外にもTwitterルールに違反するものではないかどうかも検討します。例えば、Twitterの個人情報ポリシーの違反であると報告されたコンテンツが、Twitterのヘイト行為に関するポリシーにも違反する場合もあります。もし、そのコンテンツがTwitterルール違反であると確定された場合には、それに応じた処置がとられます。報告されたすべてのアカウントがTwitterルールに違反しているとは限らず、報告されたアカウントが当初報告された以外のルールに違反しているかもしれません。また、報告されたコンテンツがルールには全く違反していないとみなされることもあり得ます。その数は、選挙、国内外のメディアの報道、大きな社会的及び政治的な会話の時機など、世界情勢により大きく変動します。

法制度の変更

Twitterは「 Twitterの透明性に関するレポート」を作成し、Twitterがとった対応や世界中の政府から寄せられた請求について公表しています。法規制に関する議論がなされるにつれて、いかに透明性を保つことが、法律がどのように作用するかを、公共が見極めるのに必要不可欠であると考えています。透明性は、テック企業だけの責任ではありません。政府や規制当局の行動も透明であるべきでコンテンツが排除が、Twitterの決定によるものかそれとも政府の要請によるものなのか、人々がわかるようにしていくべきです。十分な情報を得た上で議論を行い、国家権力の濫用の危険を軽減するためには、Twitterの透明性は必要不可欠なものです。

どうか最新の「 Twitterの透明性に関するレポート」にしっかり目を通していただくとともに、Twitter公共政策の公式アカウント(英語) をフォローしてください。

*前回のレポートの修正点:Twitterは、本レポート用に収集し評価したデータを定期的にレビュー、精査、処理しています。前回のレポートを公表後、Twitterの利用者から寄せられるスパムやプラットフォームの操作に関する報告の件数の集計方法を、異なるデータソースに移行しました。前回のレポート(2018年1月~6月分)では、4,020,893件のスパム報告を受領したと公表が、最新の正確な数は 3,606,533件となっています。Twitterはこの修正値を、前回のレポートのデータの改定版として使用しています。

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