Twitter × ニュース 事例 : 視聴者のツイートが作る報道番組

月曜日, 2014年6月2日月曜日

報道番組が事件や社会問題に対する視聴者のすべての疑問を解決するとは限りません。アメリカのニュース専門チャンネル、CNN(@CNN)は、Twitterを通じて視聴者の疑問に答える取り組みを続けています。

例えば、2014年3月8日にクアラルンプールを離陸後、消息を絶ったマレーシア航空370便の事故が発生した際、CNNはニュースを報道する際に活用したハッシュタグ #MH370 に加え、視聴者から質問を受け付けるため、番組共通のハッシュタグ #370Qs を利用しました。そして、事故から9日後の3月17日に放送した特別番組の中で、複数のキャスターたちが、自分たちの公式アカウントから、ハッシュタグ #370Qs を使って質問をするよう視聴者に呼びかけました。

ハッシュタグ #370Qs を番組内で紹介するたびにツイート数が跳ね上がり、最初の2日間はこのハッシュタグがアメリカのトレンドに入りました。報道を続けるなかで特にマレーシア航空の事故では解き明かされない疑問点が多く、数多くの質問がTwitterで投稿され、しかもその質問の多くがCNNの取材班にとっても気づかされることの多い内容だったそうです。

CNNではTwitterを通じて寄せられる質問を番組の重要な要素として当初から番組制作に組み込みました。番組プロデューサーと視聴者サービスチームが共同で集まったツイートを分析、視聴者が最も関心を持っていることは何かを話し合いました。さらに選ばれた質問をテーマ毎に選り分け、ベストツイートをピックアップし、質問を出演する記者や専門家に振り分けて回答する体制を整えました。これによって、視聴者の関心に答え続ける形で取材を積み上げる明確な枠組みができたと言います。

中にはツイートの質問で提起された説に基づいたフライトシミュレーターの映像もあり、担当記者のアカウントからもツイートされました。

「今夜の番組で #Flight370 の質問はありますか? 8pm/11pmに放送する #AC360 でお答えできるようにしたいと思います。」

@andersoncooper#370Qs ヒマラヤ山脈は広大です。レーダーが捉えきれないかもしれない所に墜落した可能性は?」

「.@MartinSavidge がヒマラヤ山脈の上空を飛んでみました。放送をご覧ください。
http://cnn.it/1gEPO8X #370Qs cc @MarkyDCole

またTwitterで寄せられた質問にこたえ、このようなインフォグラフィックを作成し、CNNの速報アカウント(@cnnbrk)からもツイートされました

「マレーシア航空370便 #MH370 捜索再開。どこの国々がどんな支援をしているかはこちら」

CNNは「自分の声が届いたと知ることで視聴者にも変化が起こりました。番組でツイートを取り上げられた視聴者は、それ以降、より積極的に番組へ関わり続ける傾向があります」と話しています。Twitterの視聴者に呼びかける拡散力と視聴者の声を即座に集めることのできるリアルタイム性を活かし、新しい報道番組づくりにぜひお役立てください。