先週火曜日(2009年12月22日)に東京大学で、Twitter社 Chief ScientistのAbdur Chowdhuryが講演をしました。「The 1st IST Christmas lectures, Information Science of Web」というレクチャで、Abdurは3人のスピーカーの一人として参加しました。会場となった大講堂には学生の皆さんを中心に大勢の方が集まり、立ち見が出るほどでした。
AbdurはTwitter社が以前買収した検索技術のスタートアップSummize社の共同創業者で、現在も検索技術を中心に開発チームを指揮しています。今回は「Discovery & Emergence」(発見と発生)というテーマでTwitterと検索について説明しました。中でも会場が盛り上がったのは、アメリカンフットボールの一大イベント「Super Bowl」の試合中に全米でどのようなツイートがあったかを地域ごとに可視化した図の説明でした。アリゾナ・カージナルスがタッチダウンを決められたときに、憤慨した地元アリゾナのファンがしきりにツイートしたため、この地域で「Cardinals」を含むツイートが急増したり、ハーフタイムに人気ロッカーのBruce Springsteenが登場すると全米で「Bruce Springsteen」を含むツイートが一斉に増えたりした様子を説明しました。
このほか、ツイートに含まれる人気キーワードを地域ごとにまとめる機能について説明をしました。感謝祭(Thanksgiving)の時期にロサンゼルスでは「Happy Thanksgiving」がもっとも多いキーワードだったのに対し、ニューヨークで最も多かったキーワードは感謝祭の風物詩である「Macy’s Thanksgiving Parade」(有名百貨店Macy’sのパレード)だったといった具合に、米国内でも地域によって人々がよくツイートする話題に違いがあるという実例を示しました。
また検索によってトレンドを抽出するだけでなく、ユーザーがハッシュタグなどを活用して、Twitterで話題をリアルタイムに共有することから生まれる新しい動きが、今後さらに大切になっていくと説明しました。
最後になりましたが、今回のレクチャにAbdurを招いて学生の皆さんに講演する機会を与えてくださった東京大学の方々にお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
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